今でこそ、ヘアスタイリストとメイクアップアーティストがそれぞれ別の人、なんていうのが当たり前になったけれど、90年代の日本では、まだまだ「ヘアメイクさん」が一般的。メイクアップアーティスト志望だけれどヘアにまったく興味がない(言い訳)、といった私には厳しい時代だったのです。
私の進路や時代についてはどうでもよくて、何が言いたいかというと、私はヘアスタイリングに圧倒的に興味がない、という話です。
すごく不思議なんですが、昔からメイクはとても面白いし、色々な表現が好きなのに、ヘアになるととたんに食指が動かず。好きなスタイルも決まりきってて昔から全然変わってない。ある意味すごくコンサバだったりします。
でもだからこそ、そのごくごく狭いストライクゾーンにハマる美容師さんでないとだめで、いろんなサロン行きましたが、再訪なしのところはゴマンとあります。
不思議なもので、こういう写真家が撮るこういう女の子のスタイルが好きでさー(例:ユルゲン・テラーの撮るアニー・モートン、イネスの撮るジェシカ・ミラー等)と伝えたとして、それがドンピシャに伝わっても、その通りに切れるとは限らないんですよね。って顔が違うから当たり前だろと言われそうですが、そういうことじゃなくて、そのスピリットを私にスライドして注入できるかどうかが仕事でしょ?(逆ギレ)と。だって現にそれが出来るスタイリストもいるんだもん。その違いって何なんですかね。相性と言ってしまえばそれまでなんですけど。
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もう一生こういうのが好きと思われる |
ここ15年くらい、ネットとかSNSやってるとよく思うのですが、好みとか趣味とか感覚とか、そういうものをシェアできる人って案外結構イルンダヨネー。killieとバカ姉弟とインゲ・グロナールと大島弓子が全部バッチリハマる、というのはさすがに希有ですが、ビキニ・キルとイネスとボリス・ヴィアンの組み合わせなんてもはやAKBくらいにマジョリティなんではないかと思わせるものがあります。いや、マジで。
でも、その同じ嗜好の人たちが合わさって何かをつくろうとしても、いいものが出来るとは限らないというか。シェアできるから過信するしちょっとした違いが出たときに致命的になるというか。そういうのはあるよなーと思ってます、常日頃。もちろんうまくいく人だって沢山いるのですが。
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前置きが長過ぎて失礼いたしました。というわけで、美容室ジプシーがデフォルトな今日この頃だったのですが、この1〜2年くらいはAMATAで落ち着いております。私のよーな庶民が足を踏み入れていいんでしょうかっていうラグジュアリーなサロンなのですが、私はここへ来て、今までの「サロンなんて美容師との相性がすべて」と思っていた自分が猛烈に恥ずかしくなりましたね。
AMATAというサロンは、お客様が完璧にそのひとときを堪能できるように、めちゃくちゃ考えられています。超人気店のはずなのにせわしなさがなく、あるのは心地よい躍動感とリラックスできるムード。かならず深い満足とともにサロンをあとにします。
よく売れっ子のスタイリストがつくと、ちょっと相手をされては待たされ、ということがありますが、ここはまったくナシ。お客様が一切のストレスを感じないように、導線やタイムテーブルが考え抜かれているのです。
大きな窓からいっぱいに日差しが入り、パリッとした清潔感が美しい白を基調とした店内には、フレッシュな洗練の花が必ず飾られています。そこで受けるヘッドスパは至福の一言。本当に時間を忘れるとはこのことで、1時間くらいかと思ったら3時間くらい長居していたこともありました。
毛髪診断士であり、ビューティプロデューサーであり、実はイラストレーター(しかも元ファッションデザイナー)でもあるというマルチな活躍っぷりの美香さんが、言わずと知れたここのオーナーなのですが、ホスピタリティとバイタリティにおいて、他の追随を許さないかたなのです。
とにかく、お客様やスタッフに対する気配りがハンパじゃない! そしていつも完璧に美しい! サロン外の仕事もありまくりのはずなのに、いったいいつ寝ているのだろう…そしてどうやってこの美貌をキープして(進化させて)いるのだろう…というのは日本の七不思議くらいにエントリーしてもよいかもしれません。ほんとは5人くらいいるのではないだろうか。
とにかく、お客様やスタッフに対する気配りがハンパじゃない! そしていつも完璧に美しい! サロン外の仕事もありまくりのはずなのに、いったいいつ寝ているのだろう…そしてどうやってこの美貌をキープして(進化させて)いるのだろう…というのは日本の七不思議くらいにエントリーしてもよいかもしれません。ほんとは5人くらいいるのではないだろうか。
AMATAには、こういうスタイルが好きとか、こうしてほしいといったこちらの意向を明確に説明しなくても、淑女がすっとハンカチを差し出すようにやさしくしっかりと汲み取って、期待以上のものを返してくれる場所、というイメージがあります。それはひとえに美香さんの人間性なんですよね。といつも思います。
仕事ができる美しい女性というのはたくさんいるのですが、スタッフを束ねて理念や技術をシェアし、育てていくそのバイタリティは相当希有なものだと思います。(もちろんよい意味で)こだわりがしっかりとある美香さんなのですが(それはAMATAのサイトにもあらわれています)、そのレベルが高すぎて完成されまくってるんですよね。それをうけてスタッフも、美しく素敵に育っていくのだろうな、と毎回感動しています。
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今回新しく導入された「ELEMENT6」というトリートメントを体験しましたが、これがもうスーパー素晴らしい! その名の通り、ヘマチンやポリフェノールなど6種類のカクテルをカスタマイズして、スーパーダメージヘアに浸透させるというもの。その際、赤外線と超音波を発するREMEDYというノンヒートアイロンとナノスチームを使い、髪の深部まで送り届けます。
もともと混ざっているのではなく、6種をその場でカスタムしてブレンドというのがポイントですよね。比率の調整ができるのはもちろんですけど、ひとつひとつのエレメントの純度が高い状態で髪が吸収できる、というのがデカいのではないかなと思います。今までのどんなトリートメントとも異なる、信じられない仕上がりでした。
美香さんのホスピタリティとバイタリティは、手がけられた商品にも随所にあらわれているのですが、長くなりますのでその紹介はまた別の機会に。
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