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せめてほっこり画像を…… |
前回の続きです。
引き続き痔の話です。はい。
後編は、いかに対処したかというお話でございます。
まったくもって下の話になりますので、ご興味あるかただけ読んでくだされ。
そもそも、妊婦はどーして痔になるのでしょうか?
よくあるのは、
妊婦は便秘になりやすい
↓
出そうと思ってトイレで力む
↓
しかも便秘だから便が硬い
↓
だから痔になる
みたいな図式。
だから、妊婦の痔の対策=便秘対策、で片付けられがちなんですよね。薬が飲めないから、水分や繊維質の多いものをとってあたたかくしてくださいね、みたいな。適度な運動もしてみてね、みたいな。
ま、それはそれでいいんですが、十分な説明ではない、と私は思います。
なぜなら私は便秘ではなかったんですよね。
★
ちなみに思い出していただきたいのですが(って誰宛なのか?)、痔には3種類ありました。
痔核、切れ痔、痔ろうです。
このうち、私が該当する症状は痔核でした。トイレでいきむわけでもなく、便が硬いわけではないので出血もなく、今思えば完全に外痔核です。腫れたできものが「出てきちゃう」ってやつですね。最初の頃は肛門の中にしまえば(=入れ込むようにする)落ち着いていて、数日おきに出てくるけどしまえば問題ない、って感じだったのが、だんだんそれが毎日になって、今度はしまっても出てくるようになって。これって症状が進行しているということなんですけれども、すごく不思議なのですがしまうと痛みがすっきりとおさまるのに、出ているとそれだけで激痛なんですね。隣接する皮膚にあたって摩擦が起こるからなんですが、空気に触れるだけでも痛いって感じ。
なので、出っぱなしの状態で生活するって拷問に近いわけです。
その「腫れたできもの」を触ると(この行為ももちろん痛みが伴う)、中に血豆のようなものが10個くらいあるのがわかる。いったいこれ、どうすればいいの!?とパニック寸前、そして「妊婦
痔」で検索する日々が続きました。でも、出て来る情報は先ほどの「妊婦は便秘になりやすく〜」、そして「臨月ですけど、日帰り手術で切ってきました!すごく楽になりましたよ」みたいな体験談ばかり。「産院で話せば専用の軟膏を処方してもらえますよ、全然効かないけど」みたいな微妙な話もあり、とりあえず次回の検診で相談してみるか……と思うも、まだ数日先だったりして。いてもたってもいられず、近所の肛門科を調べ、良さそうなところに電話してみるも、夏休みで予約を受け付けていなかったり(今思えば行かなくてよかったけど)。
ちなみに、痔のための軟膏や座薬っていくつか市販されてますけど、ステロイド入りとステロイドなしがあるんですね。で、妊婦はやっぱりステロイド入ってるとまずいよね、って空気があって。でもステロイドなしって効くのかしら?そもそも痔の症状って多様なのに全部同じ薬でいいんですかね。とかモヤモヤして結局買わず。
★
迷走の日々が続くなかで、とにかく自然療法的な処置はひととおりやってみました。
・よもぎ茶、どくだみ茶を飲む。
・痔によさそうな入浴剤を入れたお風呂に入る。
・幹部にアロエを塗る。
・便秘しないようにする(一応)。
・幹部を清潔にするため、常にマキロンを持ち歩きトイレで使用。
・痔の本を買ってみる(全然役に立たなかった)。
みたいな感じ。でも、一向に良くならねー。
そんななかで検診の日がやってきました。
★
先生「変わったことはないですか?」
私「痔になりましたね、切実に」
先生「うんうん」(←え!それだけ?)
〜しばしの間〜
私「えーと、、、なにか対処法とかは、、、」
先生「ないですね」
私「え」
先生「ないです。っていうか、むしろこれからどんどん酷くなります」
私「ええー!」
先生「仕方ないんですよ。妊娠してると体内の血液量が1.5倍くらいになりますから、血管が血をうまく流せなくて、パンク状態になってしまうのは避けられない。ま、一応軟膏出しておきます?座薬とどっちがいいですか?」
私「……。どっちが効きます?」
先生「変わらないですね」
私「じゃ、軟膏でお願いします……」
みたいな感じで。処方された軟膏&マキロンを持ち歩く日々でしたが、案の定改善は見られず。なのですが、ここで痔の原因が便秘(というか腸や肛門の不具合)ではなく、血流にあるというヒントを掴んだ私。これをなんとかできないものか?と考え始めました。
★
ところで、妊娠後期によくある症状として静脈瘤があります。これは、年を取ると出やすい症状のひとつでもあるのですが、主に下半身に血管がボコボコと浮き出てくる症状。足がだるくなったり、むずがゆくなったりします。
この静脈瘤は、妊娠中、血液の総量が増えることと子宮が巨大化することで静脈を圧迫し、血流を滞らせるのが原因で起こるんですね。
も……もしかして、これが肛門で起こっているのでは。
調べてみると、ありました。「イボ痔(痔核)も静脈瘤だった!」。
もう、間違いなくこれだろ。
しかしながら、静脈瘤対策って基本下半身(脚)に重点が置かれていて、弾性ソックスを履くとか、足を高くして寝るとかそんなんばっかで。痔の場合はどうしたらよいのでしょーか?
色々調べていると「寝るときは左を下にしろ」というアドバイスにぶち当たりました。妊婦ってお腹が重くなってくるので、仰向けに寝ることが難しいので横向きの姿勢を取らざるを得ないのですが、私は昔から右を下にして寝ていたんですね(消化を助けるから)。しかし、右を下にすると静脈を圧迫することになり、健全な血流を妨げ、結果静脈瘤を誘発するそう。
ヌオー!そうだったのか。ということで寝る体制を早速変更。
さらに、腫れている患部のなかに血豆が……の件ですが、これはどうやら血栓というらしく。「血栓 痔」で検索してみると、私の症状、これじゃね?
妊娠とか妊婦というキーワードは認められないものの、静脈が詰まって〜という記述もあり、間違いないと確信。しかし「手術も要らない、薬も要らない、放っておいても自然に治る」とありますが、私は妊婦。放っておいても治らないよ。
そこで、ここに記載されてる「冷やさない」というキーワードに着目し、お風呂に入るのはもちろんのこと、常にお尻にカイロを当てる、という作戦を試みました。これやりはじめたのが9月の終わりで、まだ暑い日々だったのですが我慢してひたすら毎日やってました。すると腫れてパンパンだった患部が少しずつやわらかくなりはじめて。2週間くらい経った時には、血栓がなくなってました。バンザイ!
ぜんぜん、完全に治ったわけではないのですが、血栓がなくなると肛門に「しまえる」ようになりましたし、なにより痛みが基本、全然ない。その状態が続いております。
今でもカイロは当てております。油断して3〜4日当て忘れると、少し患部が緊張状態になり「これから酷くなってもいいんですね?」って表情を見せるので油断大敵。もう冬ですし。産後血流関係はおのずとノーマルに戻るので、それまではカイロ作戦(たまに軟膏)で乗り切ります。
同じような症状になった妊婦さんは、ぜひカイロを。
★
ちなみに状態がいちばん酷かった頃、出産前の旅行ってことで2泊3日、直島に行ったのですが、マジでアートどころじゃなかったですね。地中美術館のモネを再び拝めることをなにより楽しみにしていたのですが、痛みの記憶しかないっす。
というのも、安藤建築、全体的に石で出来てる。
座るとこ全部コンクリっていう。
ダブルミーニングで痔に冷たい安藤忠雄。
ま、楽しかったんですが。症状マシになってから行きたかったな〜。
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ベネッセハウスと旦那氏 |
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