21.2.16

静かな熱量 | GATEWAYとレジン



YYY PRESSGATEWAY、ついに新刊が出た!新刊という表現が合っているのかわからないけど。
GATEWAYは敬愛するデザイナーの米山菜津子様によるリトルプレスと小説と詩集と文集と雑誌と写真集とその他いろいろがあわさったもので、ひとりごとじゃないんだけど(あるいはひとりごとかもしれない)ささやかな話し声が時空を越え、写真や文字となって紙にするりと流し込まれ、1冊のなにか、つまりは出版物となってうまれた、みたいな代物です。
あなたに関係あるかもしれないし、ないかもしれない。みたいなピースがあわさって、ハートというものがもし実在するならば、ハートの下の尖ったところより少し上の右側あたりがクスクスッと撫でられてぎゅんと血圧が上がるような、開くたびにそんな気持ちにさせられるものです。

そこには静かな熱量をかんじるんだな。

20代のころ「静かな音楽が好きだよね」と言われたことがあって、静かっていっても鳥の鳴き声と水の音でできてるヒーリングミュージックとかではなく、たとえばSonic YouthとかマイブラとかPatti SmithとかBoards of Canadaとかなんですけど、ああ確かにな、と思って。そのときに「すごい轟音でも静か」って成立するんだなぁってことを深く思ったんですよね。ようするに湿度が低い、粘度も低いということが重要で、温度はどっちでもいいし、明るい/暗いとかもどっちでもいけるんですよね。だから冷めているわけでは全然なくて、暑苦しいのが苦手なのは湿度とか粘度の問題という。

その「静かな轟音」が、GATEWAYにはゴゴゴと流れている感じがあります。たとえばYO LA TENGOの「Big Day Coming」みたいな。そして、学生時代とか多感な時期の卒業アルバムを見ているようでありながら、ノスタルジーとかではなくめちゃくちゃ攻めてる感じ、プラマイ無限大(ゼロではなく)、な感じが、もうたまらないのであります。

メディアというか表現の場というか伝える場というか、が多様化しているなかで、このジャンルならこのくらいが妥当でしょ、っていうの、あると思います。たとえば辞書とジンだったら違うというようなもの。ひと昔前なら紙とWEBとか。そういうものをGATEWAYはやすやすと飛び越えていて、でもそれはきっと中の人(米さん)は毎日欠かさず腕立て伏せ5万回、くらいのすごい地道なエネルギーを注ぎこんでいて、その結晶なのだよなと思います。


静かな熱量といえば。
コスメキッチン325日に新業態を出します。それがフラワーエッセンスやオラクルカード、オーラソーマなんかを扱うナチュロパシー専門店で、かなりエッジのきいたところなんですけど(カタログ書いたので、オープンしたらお店でぜひみてくださいね)、そこでコスメキッチンがアロマセラピーカンパニーと組んでオリジナルコスメをローンチするんです。基本はスキンケアなんですが、ひとついきなりフランキンセンスのレジンが混じってるんですね。

レジンとは樹脂で、フランキンセンスのほかにはミルラとかエレミなんかが有名ですが、樹液を固めた結晶のようなものです(ポリウレタンとかエポキシ樹脂もあるので、樹脂=樹液ではないと思いますが)。

こういうレジンってどうやって香りを楽しむのかなーと思ったら、水をはったアロマポットに置いて、火をくべればいいんだそうです。要するに湯煎です。熱で少しずつ溶けて、香りを放つんだそう。すごい、静かな熱量って感じしませんか。

焚いて香りを出す樹脂は、もともと神聖な儀式に使われていたもの。昔は限られた偉い人(巫女みたいな?)しか扱えなかったわけですが、こうして一般的に楽しめるなんていい時代ですよねー。

ひと昔前に比べてお香を焚く人って減りましたよね。そのかわりにアロマオイルやルームディフューザーなんかが売れてるのかな。レジンももっと流行ればいいのになーと思います。


写真にあるのは、モロッコで大量に購入してきた樹脂。私はもともとフランキンセンスが大好きで、モロッコで何種か大量に購入したはいいけど使い方がわからなくて放置していました。現地では直接火をつけて燃やしてたんですが、ちょっと抵抗があって、水を使えばいいのか〜と納得。

11.2.16

リップクリーム考。



テスト前に「勉強してないよ〜」って言いながら実はしている。そんな姿勢。これって人の深層心理に巣食う「悪いクセ」みたいなものだと思っていて。
たとえば、思ってもいないのに人のことを褒めるっていうのもそれに当たるんじゃないのかなと。褒められて嫌な気持ちになる人は少ないですよね。それで良かれと思ってついリップサービスしちゃうみたいな。なんとなく。もちろん悪気なくというか、むしろ何かを貯金するような気持ちで。

ここで言う貯金というのは、自分が逃げるスペースを確保するみたいなことで、要するに嘘をついているという意味では、真相を知りもしない有名人のゴシップを受けてその人を誹謗中傷するのと何も変わらないというか。心のなかで起きている現象は同じような気がします。

さすがにテスト勉強してないよ〜とか言うタイプじゃないというかそもそもテストがないんですが、後者のほうは面倒になるとやってしまうことがあるので気をつけたいなーと。ふと。

本当に思っていないものを発すると、自然法則も自分が本当に望んでいるものではないものを与えてくれちゃう、んだそうです。アーユルヴェーダでは。嘘には嘘で返されちゃうんだそうです。


ところで私はリップクリームの好みが激しいです。ハンドクリームなんかは比較的、これじゃないとダメ!みたいには思わないほうですが、リップクリームとA4サイズが入るバッグに関しては、気が合うものが本当に少ない。リップに関しては、潤いつつ適度に膜をはるというか、唇を覆ってくれないとダメで。オイルが唇になじんで一体化してしまうものはすぐ乾いてしまうし、膜を張るだけ張って中がまったく潤ってないでしょ?みたいなものもいただけない。欲をいうなら上から口紅とかキレイに乗せたいよね、という。

その視点で長年愛用しているのは〈Dr.ハウシュカ〉のリップケアスティック。この皮膜感、ほんとうに最強でして、長らくこれしか使わず新規開拓を怠るほどでした。香りもいい(いわゆるフローラルとかではないハーブの香りですが)し、パッケージも…、どうですか?私は〈Dr.ハウシュカ〉のパッケージ支持派です。以前ファッショニスタな友人は好きじゃないと言っていたけど。かっこいいよね?どう?

ここ1年くらいよく使っているのが〈パンゲアオーガニクス〉のリップケア。径がちょい太めでたっぷり容量。コートのポケットに入れて、だっこしている息子の顔にも塗ってます(ズボラ)。〈Dr.ハウシュカ〉に比べるとクリーミーなテクスチャーで、ちょっとバーム感。香りがまたいいんです。息子はオレンジとフェンネルの香りがお気に入り。安心してまっせ的な空気を感じるのですが、夜泣きには効力を発揮せず。こちらのブランド、日本撤退との噂でしたが、オンラインサイトだけひっそりと運営中。いいブランドなので再ブレイク希望です。

そして最近いたく感動したのが〈デ・マミエール〉のロージィ リップバーム。これはめちゃくちゃラグジュアリーで香りも唯一無二、ダマスクローズの精油が入っているんですが、ただのダマスクローズの香りではなく、本能を刺激する香りというか(ここのブランドは全体的にそんな感じ)。のせている間、唇が煮こごりに埋まってる…みたいな感じ?とにかく至福。マッサージにもぴったりです。

という、嘘偽りないリップクリーム考。ひとまず私の唇人生、この3種を軸に回っていきそうです。


アーユルヴェーダの「行動のラサヤナ」

常に正直であり、真実を語る
他人を傷つけず、思いやりをもって接する
優しい話し方をする
休息と活動のバランスがとれた規則的な生活
過度な緊張や怒りから解放される
決して無理をせず、穏やかで平和的である
自己本位にならない
行儀を良くする
物事をシンプルにする
暴力に訴えない
清潔にする
飲酒や性行為にふけらない
こころから尊敬すべき人を尊敬する
定期的な寄付をする(知識、食物なども含む)
瞑想を実践する
パンチャカルマを受ける
何かをする際に、正しい時、場所、量をよく知る
年長者や高い知恵を持った人に仕える